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中原雄一( 21/10/20 Wed 22:43 更新)

エネルギーバランスについて、正しい理解を持とう

摂食障害の恐怖

減量を始めてしばらく経過して起こる、いわゆる停滞期というのも、先に述べた「適応現象」によって起こります。適正な範囲の減量なら、それを乗り越えて次のステップへ進むことも可能ですが、上記のような極端なケースから、適応現象の限界を超えて減量に挑もうとすると、とてもよくないことが起こることが想定されます。それは「摂食障害」というものです。詳しくは減量情報のページを参照してください。

この摂食障害というのは、メンタルな側面だけでとらえられがちですが、実際には

「脳の細胞が萎縮してしまう」

というような「物理的なダメージ」も起こっているのだということをしらなければなりません。脳細胞は、いったんダメージを受けると回復することはありません。摂食障害を起こして正常な判断ができなくなってしまう原因は、こういったところにもあるわけです。

摂食障害の予後が悪い(治癒しにくい)のもうなずける話ですが、あなたは決してこのような状況に陥ることがないよう、あらかじめ減量に関する知識を十分に身につけ、対応をとっておくことが大切です。

もし、摂食障害に陥ったとして、本人が「この状態はよくない」と感じているうちは「正常な判断」ができているわけですから救いがあります。周囲の信頼できる人にまず相談し、主治医や信頼できる医師を探して、相談してみることが必要です。

日本では心療内科、などというと、抵抗を感じる人が多いようですが、アメリカなどでは悩み事を解決するのに心療内科などを訪れて相談するのは日常的なこととなっています。自分であれこれ悩むより、専門家に任せて解決したほうが絶対に合理的ですよね?

また、自分の大切な人がそういう状態だったら、なるべく早く気づいてあげて、プラスの方向へ導けるようにしてあげてほしい、と思います。

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