アスレチック ジム
中原雄一( 21/10/20 Wed 22:43 更新)

ヘヴィ デューティ トレーニング / Heavy Duty Training

  • この方法は、ボディビルディングの大会であるMr.アメリカ、Mr.ユニヴァース(IFBB)、1979年のMr. オリンピア2位の経歴を持つ、マイク メンツァー(Mike Mentzer)が考案したプログラムです。この方は、画期的なトレーニング プログラム体系を確立した人として、一部でカリスマ的な存在になっています。
  • 残念なことに、メンツァー氏は近年亡くなられてしまいました。しかし、今後もこのコンセプトは生き続けることでしょう。
  • 彼は1970年代にアメリカで注目されたノーチラス マシンの生みの親といわれる、アーサー ジョーンズに多大な影響を受けたようです。このマシンは最大限の効率で筋に出力させるように設計されているため、正しく行うことにより1セットのみのトレーニングで十分といわれていました。
  • ヘヴィ デューティ トレーニングはノーチラス マシンをよく使います。また、そのセット数も「1セット」。もちろん、その1セットを行う前に1-2セットのウォーム アップは行わなければなりません。
  • 1セット当たりのレプス数は6-12レプスとなっています。特徴的なのは、そのうち最後の1-2レプスにフォースト レプスを加えるということです。そしてその最後の挙上においては、最も筋が短縮したところで10秒くらいその姿勢を保つのだそうですから、1セットとはいえ、かなり高強度であることがわかります。
  • さらに、フル レンジでの動作が困難になったら、パーシャル レプスもフォローするようです。
  • だいたい、一つの部位に対して1週間おきくらいに行っていくことになり、ハードなトレーニングに十分な休息を見込むことができるようになります。セット数の少ないところ、そして回復に十分な時間をとるところはパワー リフティングのトレーニングに似ているようにも思えました。

トレーニングの例

  • 第一日目 … 胸・背
    1. マシン フライ
    2. インクライン プレス
      • まず、フライで大胸筋を先に刺激し、休みをとることなく次のインクライン プレスを行う形をとります。これは事前疲労法と呼ばれるトレーニングです。
    3. ナロー グリップ プルダウン(アンダー グリップ)
    4. ロウイング マシン
  • 第二日目 … 肩・腕
    1. シーテッド サイド レイズ(マシン)
    2. リア レイズ(フライ マシンを後ろ向きになって利用)
    3. トライセプス エクステンション(マシン)
    4. カール(マシン)
  • 第三日目 … 脚
    1. レッグ エクステンション
    2. レッグ プレス
      • これも事前疲労の考え方です。両方の種目の間に休息を置きません。
    3. レッグ カール
    4. カーフ レイズ
  • 上記のそれぞれのプログラムの間には1日の休息を置きます。
  • 色々と調べてみると、マシンを多くの割合で使っているのが特徴ですね。
  • 私自身もこのやり方を試したみたことがあります。「1セットしかない」ことによる集中力と事前疲労の効果相まって、非常にきつい運動でした。
  • 私の場合、フリー ウエイトもかなり使用しましたので、純粋にコンセプトを生かしたトレーニングを行えていたかどうかは分かりません。
  • 以前、ヘヴィ デューティ トレーニングはいくつかの雑誌で特集されましたが、メンツァーが「ボディビルディングのオフシーズンのトレーニングを低回数制。プレシーズンに高回数制」というような従来ある考え方について「根拠がない」と一蹴していたが印象的でした。
  • 1992-1997年、ミスター オリンピアのドリアン イェイツが非常にこれによく似たトレーニング プログラムを採用しています。マイク メンツァーはもっと少なくても良い、と評価しているようですが、それでも他の選手に比べるとかなりトレーニング時間は短いと思います。彼が来日したときには、ストレッチングなどのウォーム アップやクール ダウンを除いて50分程度であると話していました。
  • ただ、ドリアンは大きなケガが多いのも心配です。

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