中原雄一(
21/10/20 Wed 22:43
更新)
オンガード ポジション / On-guard Position
- オンガード ポジションについて
- この立ち方は鍛錬のための立ち方である二字拑羊馬に対し、実際に動きながらパンチやキックを行うための基礎的な立ち方になります。
- しかし、二字拑羊馬を十分に練習しておかないと、運動中に重心が浮いたり、軸がぶれたりする原因になります。二字拑羊馬である程度重心の保ち方を修得してからこの立ち方を勉強しましょう。
- フィットネス カンフーは、動作を行うことによって心拍数を効率的に上げるため、特に西洋格闘技的なフット ワークを多用します。その点から、安定性のあるオンガード ポジションが望まれるところです。
- オンガード ポジションのとりかた
- まず下半身の置き方です。両足を肩幅よりやや広めに、前後に開きます。まずは、伝統的なカンフーに従い、利き手、利き足を前に持ってくる姿勢をとりましょう。
- 前足を30度程度内側に入れ、後ろ足は45度程度外側に開きます。
- 前から見たと、前足のつま先と後ろ足のかかとが一直線に並ぶ程度の横幅もとっておきましょう。
- 動きを軽くするために後ろ足のかかとをわずかに持ち上げ、両足とも親指の付け根の部分で体重を支えるようにします(本来のカンフーでは、かかとを上げることは基本的にありません)
- 膝は必ずつま先と同じ方向へ向けます。これは膝を痛めないでエクササイズを続けるためにはとても重要なことです。そして重心を落とすためにわずかに曲げておきましょう。足を突っ張ってしまうと適切なバランスが保てない上、効率的なパンチ・キックを出せません。
- 両膝に対して自然な方向に腰を回転させます。右腰が前に出て、骨盤が正面に対して斜め45度くらいを向くはずです(古典的な詠春拳では骨盤はほぼ正面を向きます)。
- 上半身は骨盤に素直に乗せるようにしましょう。すると骨盤と同じ方向を向くはずです。このように構えると、相手を仮想して練習を行う場合、自分が相手に対してさらす標的の部分を狭くしていることが理解できます。
- 顔は正面を向きましょう。ボクシングではアゴを引くのですが、フィットネス カンフーは脊柱の配列を守るため、アゴを引きません。人間の体の構造上、アゴを下げた姿勢ではフル パワーを出すのは困難です。
- 次に後ろの手、リア ハンドをアゴの前か横に構えます。これはアゴの横を守るためです。フィットネス カンフーでは一定水準の心拍数を保つためにも重要といえるでしょう。
- 肘は軽く体側に沿わせます。極端に締め付ける必要はありません。
- さらに前の手、リード ハンドをアゴの前に置きます。正面から見たとき、両手がなるべく体の真ん中の線(正中線)の上に並ぶようにしましょう。こちらの肘も軽く体側に沿わせ、極端に締め付ける必要はありません。
- ボクシングではリード側の肩を持ち上げ、アゴを守るようにしますが、フィットネス カンフーでは決して肩を上げません。
- この姿勢からいろいろな技を繰り出すのですが、このポジションを癖にして、いつでも回復できるようにしましょう。
- また、両手のガードは途中でおろさずに高く保ち続けましょう。腕を上げておくことによって局所的なトレーニング及び心拍数を上げるトレーニングとして特に有効になるでしょう。