ウォーキングとは、人間の「歩行運動」を利用したエクササイズです。
ウォーキングでは、動作の間、常に
「片方の足が地面に接している」
状態に保たれます。
それに対して、ジョギング・ランニングなどの「走運動」では、
「両足がともに地面から離れている=滞空時間」
が発生します。
この両者の違いは、足が着地するさいの「衝撃」に現れます。滞空時間がないウォーキングでは、着地時の衝撃は、ほぼ体重に等しいとされますが、ジョギングの場合、それが体重の2-3倍にもなってしまいます。「関節の保護」という観点からは、ウォーキングのほうがより有利になるでしょう。
ウォーキング(前進)では、両方の足の「役割」を交互に入れ換え、前に進むことになります。
詳しく見てみると、片方の脚(あし)で体重を支持し、反対側の脚が前へ「振り出される」形になります。体重を支えている側の脚を「立脚」といい、その状態を「立脚期(立脚期)」と表現します。反対に、振り出されて空中にある脚を「遊脚」とよび、その状態は「遊脚期(ゆうきゃくき)」と表現されます。また、両足が同時に設置しているときを「二重支持期(にじゅうしじき)」といいます。
「二重支持期」の時間は、ウォーキングの1サイクルのおよそ10%を占めますので、残りの90%はどちらかの足が片足で体重を支えている状態になっています。
このように、ウォーキングの間、私たちのそれぞれの脚は
…「二重支持期」→「立脚期」→「二重支持期」→「遊脚期」→「二重支持期」…
を繰り返していることになるわけですね。
動作の詳細については、からだの部位別にコーナーを設けますので、そちらで解説していきますね。
日本人が「普通の歩きかた」をする場合の歩行スピードは、「60-80m/分(3.6-4.8km/時)」であるといわれます。 年齢層や地域などの要素で歩くスピードは異なるようですが、若い人ほど歩くスピードは速い傾向があるようですね。数年前に行われた調査では、日体大などの学生の歩行スピードは 80-90m/分であることがわかりました。私も先日、ウォーキング関連の講習会に参加して測定してみましたが、100-110m/分というスピードでした。せっかちなんでしょうか?
ちなみに、この110m/分というのは、「歩き」と「走り」のちょうど境目に当たるスピードなんだそうです。だいたい、110m/分-120m/分のところで、そのスピードでのより楽な前進運動が「歩き」から「走り」に入れ代わる、というわけです。
ウォーキングをエクササイズとして行う場合、普段の歩きより少し速めに歩くように心がけます。詳しくは「プログラム」にて。
日本人の成人が通常歩行をする場合、「60-80cm/1歩」であるとされています。
「身長(cm) - 100」
の歩幅と表現されることもありますね。60歳を超えると、やや縮まるようです。
これが意識して行うウォーキング=速歩になると、
「身長(cm) ÷ 2」
程度になるようです。頑張っても1m程度でしょう。
エクササイズの場合は、意識して足の幅を広めにとりますが、動作が不自然になるほど歩幅を広げると、逆に各関節に負担がかかる可能性があります。なにごとも「適度」がイチバン。
今度は日本人の、1分間当たりの歩数を見てみましょう。ウォーキングの他の要素と同様、人によって異なりますが、80-100歩/分であるとされています。
これも、エクササイズとして行う場合は、多少早めのピッチで行うことになります。もちろん、ピッチをコントロールする場合、体力の向上に合わせて、徐々に上げていくことが大切です。
大まかにみると、100m/分で歩いているとき、1分間に体重1kgあたり約0.1kcalを消費するといわれます。
実際、ウォーキングでどの程度のエネルギーを消費するかについては、「レクチャー ルーム」に設置した「ウォーキング/ランニングのエネルギー消費量計算」を利用していただいたほうがより直接的でしょう。
下の図を見てみると、ウォーキングでは100m/分を超えるころから急激にエネルギー消費量が多くなってきます。120-130m/分にもなると、通常よりエネルギー消費量の高いジョギングとほぼ同水準となります。それ以上のスピードで前進しようと思ったら、ウォーキングよりもジョギング・ランニングのほうがより効率的で楽だ、ということになるわけですね。