中原雄一(
21/10/20 Wed 22:43
更新)
オフシーズン中の筋力トレーニング
Q(質問)
- (「競技シーズン中の筋力トレーニング」の続きです。)先日、エアリアル競技のリレハンメルオリンピック代表だった方とお話する機会がありました。
- その時にトレーニングなどについていろいろ聞かせて頂いたんですが、モーグルのナショナルチームの選定基準として(技術はもちろんなんですが)「体脂肪率が10%以下であること」という項目があるそうです。
- もちろん筋力についてもいろいろな基準が設定されているそうです。
- 大まかですが聞いた話によりますと
- スクワット1RMで体重の1.5倍
- ベンチプレス1RMで体重の1.2倍
- だそうです
- ちなみにナショナルチームの選手はこの基準よりはるかに上の数値をだすとのことです。
- それからモーグルは陸上競技で言うと、400メートル走に最も近く(タイムにして30~40秒で滑るため)それに近いトレーニングが必要になるとのことです。
- トレーニングについては、時間の関係もあり、詳しくおうかがいすることはできなかったのですが、上記のことからどのようなオフトレーニングが一番効率的でしょうか?
- 私の場合、体脂肪率を下げながら、かつ筋力を高めていかなければならないと考えています。
- ちなみに今月に入ってからの体重と体脂肪率の変化を述べますと
- 今月当初は
- 現在
- です(いつも朝起床後すぐに計ります)
- 体脂肪率に関して「約」をつけたのは、体重と違って、その日によって±1%の違いがあるからです?
- それと夜に計るとだいたい18%前後まで落ちているんですが、数値としては朝の数値を信じてよろしいのでしょうか?
- 申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いいたします (男性)。
A(回答)
- 陸上競技の400メートル走はその継続時間からみて、全力発揮の無酸素運動のほぼ限界点に達する競技ですが、その点からモーグルがいかにハードな競技であるかがわかります。
- ご質問にあるように、スクワット1RMで体重の1.5倍、ベンチプレス1RMで体重の1.2倍という値は、多くの競技の目安になっているように思います。
- 競技の内容によっても多少違うとは思いますが、無酸素系の競技では、もしこの水準しか筋力がないのであれば、少々筋力不足かな、というイメージを持ちます。
- ご質問には「ナショナルチームの選手はこの基準よりはるかに上の数値をだす」とありましたので、なるほど、と納得しました。
- そういえば、以前、ある有名なプロ野球選手のトレーニングのサポートについたことがあるのですが(オフシーズン)、上半身の種目について上記の水準を満たしていませんでした。もう少しバランスのよいトレーニングを行うと良いと思ったのでしたが…。
- 私はスポーツ競技種目の指導は専門ではありませんので、一般的なお答えしかできませんが、オフシーズンといっても時期によって目的が異なってくると思います。始めは徐々に体を慣らすために15回-20回上がるような重量から開始します。
- 徐々にターゲットとなる筋力の水準が高ければ、それに見合った筋肥大が必要ですので、それに一番効果があるといわれる8-10RM程度を目指して重量をあげていくことになります。
- 種目柄、オフシーズンの後期には得た筋力を競技に結びつけられるようにするため、筋パワーやスピードを高めるトレーニングも採用していかなければならなくなるでしょう。
- パワー系(ハイクリーンなど)の種目も必要でしょうし、プライオメトリクスの採用も考えることになると思います(後者は効果は大きいですが、十分な基礎筋力が養われていないと傷害を起こしやすくなります)。
- この時の重量の選び方や種目の選び方、具体的なタイミングについては、実際にトレーニングを行われている人に聞いたほうがよいと思います。最終的にはご自分の疲労と回復、そして最終的なパフォーマンスの結果を検討して最も適したスタイルに調整する必要があるでしょう。
- 具体的にお答えできず、申し訳ありません。
- 体脂肪率に関しては、頻繁に測っておられるようですから、家庭に普及しているインピーダンスを用いた方式の測定器ではないかと思いますが、精度を考え、あくまで参考程度に考えられたほうがよいと思います。
- 体脂肪率というのは、あくまで体重に対する体脂肪重量の比率ですので、体脂肪そのものの量がほとんど変わっていなくても、体重が食事そのものの重量などで変化することによって比率、つまり体脂肪率自体は変わってきてしまうものです。
- ご質問の場合は、体重はほぼ一定で体脂肪率だけが異なるというイメージを持ちますが、もしインピーダンス方式を用いていれば、電極の接着点の表面抵抗や体水分に大きな影響を受けます。
- 特に体重計方式のものは体重の変化によって表面抵抗がかなり変化する可能性がありますね。