中原雄一(
21/10/20 Wed 22:43
更新)
トレーニングによって骨は太くなる?
Q(質問)
- 20歳を過ぎても、トレーニングによって骨密度が高くなるという話は聞いたことがありますが、太くなることはありますか? 私は骨細ですが、特に前腕を太くしたいと考えています。 (20代・男性)
A(回答)
- おっしゃるように、20代になっても、骨の密度や硬度は高めることができると考えられますが、骨そのものの太さを変えるのは難しいでしょう。ミクロの世界で見れば改善はあるかもしれませんが、「骨細から骨太に」というような、目で見て分かるような骨の太さの変化は期待できません。これらは遺伝によって決定される部分が大きいといえるでしょう。
- しかし、関節が細い人は、筋肉をつけることによって身体のラインにメリハリが付く傾向があります。そのような面を逆に生かすことを考えると面白いのではないでしょうか?
- 筋の反応は人によって異なるので、回数を増やしてみたり、重さそのものを増やしてみたりして、前腕の反応を確かめてください。
- 1997-98年にかけて、各種メディアで話題になっているブルース リーは骨細だと思うのですが、一番体重がある時などの写真をみると、前腕の筋肉の発達がすごいですね。彼のトレーニングなどは参考になりそうですので、以下にルーティンの一つを紹介してみます("TAO OF JEET KUNE DO",1975, Bruce Lee, OHARA PUBLICATIONS, INCORPORATED 訳:中原)。
- 前腕/腰部:
- シークェンス1(月・水・金)
- ウェスト ツィスティング
- パーム アップ カール
- ローマン チェア
- ニー ドローイング
- サイド ベンド
- パーム ダウン カール
- シークェンス2(火・木・土)
- レッグ レイズ
- リバース カール
- シット アップ ツィスト
- レバレジ バー ツイスト
- オールターネイト レッグ レイズ
- リスト ローラー
- 腹部と前腕は週6回トレーニングすることになりますが、両部位の筋の回復が他の部分と比較して速いことを利用したものと思われます。
- シークェンス1の中で、前腕のトレーニングは2.パームアップ カールと6.パーム ダウン カールの2種目になります。一般的に両方ともバーベルを使う種目で、肘をベンチや膝などの上に固定して、手首だけで行う上げ下げ運動です。前者は手のひらを上に向けて行い、前腕の屈筋群を鍛えます。後者は手のひらを下に向け、前腕伸筋群を鍛えます。
- シークェンス2では2.リバース カール、4.レバレジ バー ツイスト、6.リストローラーが前腕のトレーニングにあたります。
- リバース カールは手のひらを下に向けて行うアームカールのバリエーションで前腕や上腕筋に効果があるとされています。ブルース リーはバーベルを握った手に上からラップを巻いてバーベルを固定し、この種目を行うことがあったそうです。通常のアームカールより肘を開き気味にして行うのがコツです。
- レバレジ バー ツイストはダンベル バーの片方にウエイトをつけ、ウエイトをつけていない側を握って親指側からウエイト側を出す形にします。そして、ウエイト側を上に立て、前腕を左右にひねって前腕を鍛えるのです。このエクササイズを行うブルース リーの写真が残っていますが、彼は片膝を立て、その上に同じ側の肘を乗せて行っています。
- リスト ローラーは前腕くらいの長さの棒の真ん中に1メートルくらいのひもを固定し、その先にウエイト プレートなどをつけた器具を用いるものです。腕を伸ばして地面に水平になるまで持ち上げ、手首で棒を回すことにより、ひもを棒に巻き付けてウエイトを持ち上げていくエクササイズを前回転、後回転の両方行います。