ニュートリションnutritionとは栄養学を指し示す言葉です。ここでは、フィジカル アクティビティに用いられる各プログラムと同様に大切な、ニュートリション プログラムの効果についてその概要を述べてみましょう。
減量のためのニュートリション プログラムとして使われるのは
「ロー カロリー ダイエット(低カロリーの食事療法・減食)」
です。
この方法は「フィジカル アクティビティ」の各プログラムと比較した場合、エネルギーのコントロールを行いやすい、という利点があります。「減量のモデルケース」の中でグラフにして表現していますが、一般にロー カロリー ダイエットはエクササイズより早く体重を落とすのに役立ちます。特に現状において過食気味の場合、大きな効果を発揮するでしょう。
しかし、すでに一般的に知られた事実となっていますが、運動を併用して行わない場合、
「からだに必要な筋肉や骨格まで喪失する」
という結果がいろいろな実験の結果から明らかになっています。
「フィジカル アクティビティ」でも述べた通り、車でいえば筋肉という組織はエネルギーを燃やす「エンジン」に相当する部分です。この部分が失われることにより、私たちのからだは以前よりエネルギーを燃やす量が少なくなっていくことが予想されます。
これは裏を返せば、筋肉を失うことは「太りやすい体質を作っているのだ」ということにほかなりません。
いったん体重が止まってしまったら、さらにエネルギーを落とさないとそれ以上体重を落とすことが望めなくなります。
また、ロー カロリー ダイエットというのは多くの場合一時的なものですので、いずれは標準的な量のエネルギーを摂取することになっていくものです。こうなると、ただでさえエネルギー消費量が落ちているところに余計なエネルギーが入ってくることになり、あっというまに「リバウンド」することになります。これは多くの方が経験しているでしょう。
エクササイズを併用するニュートリション プログラムではエネルギー源、栄養素を確保し、今現在もっとも適した状態にコントロールされる必要があります。
エクササイズ プログラムも少しずつ強くなっていくことが予想されますから、途中で逆に摂取量をあげなければならない場合もあるでしょう。
筋力トレーニングにおいても、エアロビック エクササイズにおいても、運動のエネルギー源としてかなりの割合で炭水化物を使います。ご飯やパンなどの食品は不足しないように、試行錯誤しながら量を決定していくことが必要になるでしょう。あわせてエネルギー燃焼に必要なビタミンB群などを意識してとることも求められます。
減量プログラムにおいては「無駄な脂肪」を落とす(Fat-loss)が目的ですから、その分解によって生じる老廃物の体外排出も重要な問題です。そのためには、計画的な水分の補給が必要になります。
水分は喉がかわく前に意識して、計画的に補給するようにします。減量時には、通常より多めの摂取が求められます。
一般的に私たちの体は通常1日に2リットルの水分を摂取すると考えられています。減量プログラムでは2-3リットル/日の水分補給を考えればよいでしょう。
単にエネルギーを減らすだけの「減食」では、効率のよい減量を進めることはできません。しかし、生活スタイルに最適な食事の取り方をすることで、エクササイズの効果を高めることもでき、減量の効率をより促進することが可能になると考えられます。
(この文書はICO開設初期に公開されていたSuper Fat-lossの記述を書き直したものですが、現在は石川栄養士の「栄養学コラム」のページが追加されていますので、詳しい情報についてはそちらをご参照ください)。