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中原雄一( 21/10/20 Wed 22:43 更新)

プロテインの飲み方

Q(質問)

  • 減量のために3ヶ月前から運動を開始し、プロテインを食事と食事の間に利用しています。減量のためには朝食がわりにとる方法もあるようですが、問題はないでしょうか? また、どのような種類のプロテインがいいのか、プロテインをどのように飲めばいいのか、またプロテインに害はないのかなどを教えてください。 (男性)

A(回答)

  • ご質問のプロテインの有害性ですが、ないとはいえないと思います。
  • まずはプロテインの消化の問題ですが、1980年代半ばのボディビルディング雑誌で読んだ記憶がありますが、日本人が一度に処理できる蛋白質の量は35g程度となっていました。一度にあまりとり過ぎると腸内での腐敗を起こす可能性があるとされていたと思います。
  • 現在日本人の体位も欧米人に近づきつつありますので、処理能力は若干上がっているのかもしれないのですが、一度にとり過ぎないようにすることで防ぐことができます。食事と食事の間に摂られている、ということですので、その点では問題は少ないのではないかと思います。
  • また、もうひとつご質問にありました、食事がわりにプロテインを摂る方法ですが、食事後の生活パターンで大きく変わってくると思います。
  • この方法は、食事をプロテインに置き換えることにより、必要な栄養素をとりながら、エネルギーを効率的に抑えられるところにその利点があります。
  • しかし、もしそのあとに活動的な生活パターン(エクササイズ含む)が待っているのでしたら、運動に必要な炭水化物を確保できなくなる可能性があります。プロテインそのものは、運動のエネルギー源として効率の良いものではありません。場合によってはプロテインを炭水化物に変えて、運動エネルギーを確保する場合もありますが、そのためには脱アミノ化という過程が必要であるため、あまり極端に、長期間行うようだと肝臓や腎臓に負担をかける可能性もないとはいえません。
  • 最新の栄養学では、蛋白質は炭水化物と同時にとると効率が高いということが知られています。最近はプロテインそのものだけでなく、かなりの割合で炭水化物を混ぜたものも多くなっているようです。食事がわりにとるのでしたら、炭水化物や他の微量栄養素も含まれたタイプのものがいいかもしれません。
  • 最近、WHOとFAOが合同で「炭水化物が肥満・疾病予防に有効」という報告書を出しましたが、その中ではさまざまな種類の炭水化物を全エネルギーの最低55%とることで体内の脂肪備蓄を防げる、としています。このことから、炭水化物、蛋白質を多めに、脂肪を控えめに、というのがこれからの減量に関する指針になっていくのではないかと思います。

中原 雄一

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