ラウンジ
中原雄一( 21/10/20 Wed 22:43 更新)

ストレッチング効果が頭打ち

Q(質問)

  • 最近ストレッチを始めた18歳の男子です。ストレッチのことで少し質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?ここのHPでの解説通り「気持ちいいところでキープ」を実践してもう数ヶ月なのですが、ある地点からどうも伸びなくなってしまいました。どうせなら垂直水平!とまでは言わないまでも、それなりに柔らかくなりたいと思っているのですが何かよい方法はないでしょうか?
  • ただ、「痛みを感じる」程度にやると伸びることは伸びます。しかし次の日逆に引き締まってしまいます。それも我慢して何度も伸ばしていくと、たしかに稼動範囲は広くなっていくのですが、どうも筋肉に悪いような・・・・?
  • 以前中学で陸上をやってたときは3年間毎日40分以上はストレッチをやっていましたが、まったく普通の人と変わりませんでした。うぅ、わかりません(男性:18歳)

A(回答)

  • ストレッチングは続けていると、ある時点で突然伸びが遅くなるようです。
  • 関節の可動域に対する制限因子は、「骨の構造」と「軟部組織(筋、筋膜、腱、靱帯、関節包、神経の長さなど)」です。前者の制限因子については、もう変えることが不可能であるとされ、後天的努力によって変えられるのは後者のみということになります。フィットネス ストレッチングが目指すものは、特に筋膜のストレッチングだといえると思います。
  • スタティック ストレッチング(静的ストレッチング)の理論では、「神経支配の関係や、筋肉の微細裂傷の関係上、痛みを伴うレベルのストレッチングは逆効果」といわれますし、実際頑張りすぎて、可動域をなかなか広げられない人を何人か知っています。しかし、あくまで私自身の場合に限りますが、多少痛みを感じる程度のストレッチングをしないと、あるレベル以上は可動域は広がらないようです。
  • 目的にもよりますが、痛みを感じるということは、筋が伸ばされすぎて逆に緊張している状態でもあり、微細裂傷を招きやすい状態でもあるといえます。あるいは、成長を止めた神経がその長さ以上に伸ばされている、というきわめて危険な状態にあるかもしれません。また、靱帯や関節包を伸ばしてしまうと、「関節を痛めやすい」「脱臼しやすい」という状況を生む確率も高くなります。
  • そのような意味で、フィットネスのためのストレッチングというのは、やはり痛みを感じる寸前で止めるのが基本です。もちろん、ハイレベルなスポーツ アスリートにおいては、それを超えた柔軟性を要求されるケースもあると思いますが、やはりリスクは覚悟しなければならなくなります。その人その人がどの程度のフィットネス レベルを要求するかで、プログラムは変わってきてしまうでしょう。

中原 雄一

2003年8月9日追記

周囲に専門家がいる場合は、PNFを応用したC-Rシステムをためしてみる価値があります。また、関節可動域の制限因子である関節包をゆるめる(関節に遊びを持たせる)方法を組み合わせることで柔軟性を高める方法を開発している先生もいます。「関節ニュートラル整体」の及川先生の書籍や、「動作改善法」の松本先生に関連する情報は非常に参考になります。後者については、健康運動指導士講習会にて実際に体験していますが、非常に有効なものであると思われました。

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