中原雄一(
21/10/20 Wed 22:43
更新)
リバウンドしました。基礎代謝をあげる方法は?
Q(質問)
- 数年前にダイエットをしたあとに15Kgもリバウンドしてしまいました。
また体重を落とさなければいけないのですが、たぶん基礎代謝能力が落ちていると思います。
- 基礎代謝を手っ取り早く上げるいい方法はありますでしょうか? (女性)
A(回答)
- リバウンドはダイエット(食事療法)がきつければきついほど強めに出る傾向があります。15kgというとかなりのリバウンドですね。
- 基礎代謝を上げるためには筋肉をつけるのがよい、と最近よくいわれますが、それを考えれば、以前いわれていたような軽い重量で高回数行うより、重い重量で低回数で行うのがよい、ということになります。ただし、綿密な計画が必要でしょう。
- 指導現場ではかなり以前からいわれていたのですが、運動プログラム
を実施している人が、炭水化物、つまりご飯やめん類などを「ダイエット」
と称して制限すると、体重の減少がストップする減少がよく見られました。
逆に少し増やして上げると、なぜか体重が減少するのです。
- つい先日FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機構)が「十分な炭水化物の摂取は、人々の肥満防止に役立つだけでなく、食生活に関連するさまざまな疾病予防にもつながる」という合同報告書を発表しました。それによると「他種類の炭水化物から得られるエネルギーを少なくとも全エネルギーの55%とると、体内の脂肪蓄積を防ぐ」のだそうです。
- この事については、10年くらい前にダンベル体操の鈴木正成教授が
出版した本『食生活をデザインする』(講談社ブルーバックス)にも述べら
れていて、脂肪蓄積効果が最も少なかったのはご飯だ、というような報告があったのを覚えています。ご飯の炭水化物は特に食事効率が悪い
ことがその理由だったと思います。
- 通常、ダイエットというと、この炭水化物をカットするケースが多いようです。それが代謝不良を招く原因になったりはしないでしょうか? 運動には炭水化物が不可欠で、通常脳や神経も炭水化物のみをエネルギー源としています。
- 炭水化物の不足は代謝不良を招く可能性があるといえます。もちろん、
合併症の問題で、炭水化物を摂取を抑えなければならない方もいらっしゃるでしょうし、一概にはいえないと思いますが。炭水化物の最低量については、栄養学コラムのワンポイント アドバイスにも記載があります。
- 上記はあくまでも一つの考え方です。私自身は極端なプログラムを行うことは得策ではないと感じます。現在のスポーツクラブ、フィットネスクラブのプログラムはその辺が考慮されていないな、と実感します。
- 確かに期間内に体重を落とすプログラムでないと商品化できないのは分かりますが、結局リバウンドを誘うプログラムにしかならないのです。
- 時間はかかるかもしれませんが、ライフスタイル全体を見直す方法が私は一番いいと思います。具体的に述べるのは難しいのですが、1日の、あるいは1週間、1月の生活パターンを「現在より少しだけアクティブにし」、その期間の食事を「少しだけ控えめにする」という方法から始めるのが望ましいといえます。そして、そのレベルを経験から拡大したり、縮小したりしながら、調整を進めるのです。
- 最初から「あれも、これも」というプログラムはなかなか続かない、というのが実情だと思います。