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中原雄一( 21/10/20 Wed 22:43 更新)

減量が進みません

Q(質問)

  • 5月に体重が97kgに達したことをきっかけに、油ものを控え、野菜・魚中心の食事と週二回の有酸素運動(水泳・バイク)を行うことで、ここまで9kg落としました。しかし、一月ほど止まっています。体脂肪率も当初から有意な変化はありません。
  • これまでの方法で体重は減りますか?
  • もう少し運動量を増やしたり、筋力トレーニングの必要などもありますか?(男性:30歳)

A(回答)

  • 5月-8月の間に97kgから88kgへ、9kg減量されていますね。コンスタントな減量効果を期待するのは多くの場合困難で、大体途中で止まったり、またそれが長く続いたりすることが多いものです。基本的には、外から入ってくるエネルギーと消費するエネルギーがほぼ釣り合っているが想像されますが、これにはいろいろな理由があると思います。
    1. 少ないエネルギー摂取量への適応
      • まず、外から入ってくるエネルギーが少なくなったことで、からだはより少ないエネルギーでもからだの機能を維持できるように代謝量を少なくする方向に適応していきます。
    2. 有酸素運動による自律神経系の機能改善
      • また、現在有酸素運動をハードに行われていますが、この運動は当初からだの代謝を高める働きをします。
      • しかし、ただでさえ入ってくるエネルギーが少なくなっているときですし、有酸素運動は自律神経の働きを改善しますから、無駄なエネルギー消費を切り捨てるような方向に働く場合が多いようです。
    3. 水泳への適応
      • これは一つの可能性にすぎませんが、アメリカのデータでは、体温の保温目的のため、水泳では体脂肪が減りにくいとするものがいくつか見受けられます。
      • プール水温の違いなどで、日本のプールとそのまま比較できないかもしれませんが、場合によっては一時的に別の運動を採用してみるとよいかもしれません。
  • 基礎データがありませんので、現在一番いい対策と断定することはできませんが、食事の中の炭水化物の量を見直してみるとよいかもしれません。有酸素運動であっても、消費するエネルギーの主体は多くの場合炭水化物です。十分な炭水化物が確保されていないと、血液内に不完全燃焼物が多くなったり、脳神経の機能が低下してうまく代謝をコントロールできないことがあります。
  • 現在の運動量から考えて、疾患がなければ、少しご飯の量を増やしてもいいかもしれません。これで止まっていた体重がすぐに反応する人が比較的多いからです。
  • 次に運動ですが、今は始めたばかりのころよりエネルギー消費量は少なくなっているはず。動作が効率的になっているばかりでなく、体重が落ちていますし、また上に書いたようにエネルギーのコントロール機能が改善されていると思われるからです。
  • ご質問にもあったように、筋肉をつける方法は今の状態では有効でしょう。筋トレは役立つと思います。有酸素運動とダイエット(食事療法)を併用すると、筋肉が落ちるのは外国のデータからみる限り間違いないようです(日本のデータはあまり見かけません)。
  • ただし、高重量による筋トレは血圧が高い場合とても危険です。
  • 結論ですが、体重が止まっているということは、からだが適応状態になっていることが考えられます。そのためにはそれを破る刺激を与えることが有効ということで、摂取する炭水化物の量を増やしてみる(あるいは食事の量を増やしてみる)、筋トレをとりいれてみる、という方法を紹介しました。しかしこれらはあくまでも限られた情報下でのアドバイスと理解してください。
  • できれば、お近くの専門家にお尋ねになることをおすすめいたします。

中原 雄一

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