中原雄一(
21/10/20 Wed 22:43
更新)
ウォームアップセットの設定のしかた
Q(質問)
- ICOのプログラムにおいてウォームアップセットはどの程度を想定されているのでしょうか。「短期集中パーツエクササイズ」の中で「ウォームアップセットを十分に」と言われる「十分」の程度が分かりません。
- もちろん「個人差がある」ことは承知していますが、先生が想定している(or実行している)「十分」を教示して頂けると幸いです。
- #例えば「ベンチプレス60kg,8回×2セット」のウォームアップは*kg×*回,*kg×*回,......のような。 (男性)
A(回答)
- ウエイト トレーニングにおけるウォーム アップの考え方もいろいろな考え方がありますが、ここでは「血液循環のためのウォーム アップ」と「神経筋のウォーム アップ」の2つの観点からウォーム アップをとらえてみます。
- 基本的に、ウエイト トレーニングのような負荷の強い運動を行う前には、エアロピック エクササイズのような、全身への血液循環を高める運動を行っておくと効果的であると考えられています。
- しかし、ウエイト トレーニングは局所運動ですから、その運動を行う直前に局所を集中的に動かして血液循環を高めておくとさらに効果が高まることが考えられます。
- ウォーム アップ セットの一番初めはこの「局所の血液循環のためのウォーム アップ」を行うことをおすすめします。この時点では局所の筋肉が強い負荷にさらされていない(慣れていない)状況であると考えられますから、負荷を軽めに、回数を高めに設定するのが基本です。
- ご質問には60kg8回のケースをあげていらっしゃいますのでそれを考慮すると当初は40kg×10~12回程度が目安になるのではないかと思います。ただし、人によって異なりますから、重さ、回数を多数調整して下さい。もちろん、血液循環が目的ですから、ある程度の回数(10回-15回)は確保したいところです。
- 次に、局所筋に十分な血流を確保するため、2-3分のインターバルを取る必要があります。あまり早く次のセットに入ってしまっては、十分な血液循環を確保できないでしょう。
- そして、「神経筋のウォーム アップ」が必要になります。これは、筋を支配している運動神経と、筋そのものの協調関係に関するウォーム アップですが、簡単に言うと「段階的に高い負荷に筋を慣らして、効率的に出力させる」ことを目的としているといえます。ですから、比較的重い重量を使用する必要がありますが、あまり回数を行う必要はありません。
- 60kg×8回のためのウォーム アップとすれば、50kg×5回、55kg×2-3回も行えば良いのではないでしょうか。もっと重い重量を使うようになってくると、この部分のウォーム アップ セットが増えてくる可能性があります。なぜなら、血液循環のためのウォーム アップと、実際にトレーニング目的で行うセットの間に負荷の開きが生じるからです。
- たとえば、これは私の過去のトレーニング例ですが、100kgで8回のトレーニングを行う場合、65kg×12回、75kg×8回、85kg×6回、90kg×4回、95kg×2回程度で行っていました。これはあくまで私の行い方ですから、こんなに必要でない方もいれば、もっと必要とする方もいらっしゃると思います。また、私個人についても日によってウォーム アップの必要性は変わってきます。少なく設定するときもあれば、多めに設定することもあります。
- ウォーム アップ セットについては、軽めの負荷から設定して、様子を見ながら負荷を変えたり、セット数を変えたりするとよいと思われます。