ラウンジ
中原雄一( 21/10/20 Wed 22:43 更新)

フィットネスクラブ通いで食事が遅くなるのは大丈夫?

Q(質問)

  • 私のような社会人が仕事のあとスポーツ クラブに通うと、食事をとる時間帯が遅くなってしまいます。運動のあとですからビールもほしくなりますね。しかし、夜遅くとった食事は体脂肪になりやすく、成人病の原因になるような話も聞きました。健康のための運動が病気の原因を作るのでは意味がありませんよね。どんなタイミングで食事をとるのが良いのでしょうか?(男性)

A(回答)

  • これは極めて難しい問題であり、簡単には結論を導き出すことはできません。
  • 確かに、医学的な事実に基づいて考えれば、質問の内容にもあるとおり、就寝前の食事やアルコールの摂取は肥満防止の観点から決して良いものとはいえないでしょう。食べて吸収されたものがエネルギーに変わる機会を失うからです。また、就寝中に消化器官を休めることができないという問題についても多くの医師や学者が指摘しています。
  • 余計な脂肪の蓄積、特に男性に多い「内臓の周囲への脂肪の蓄積」は成人病と極めて関係が深いという事実もありますから、その意味でもなるべく肥満につながるような食事形態は避けるべきなのでしょう。
  • しかし、難しいのはその部分ではなく、現実的な対処という問題です。仕事をされている方々で、勤務後フィットネス クラブに通われる方のほとんどが、夜遅くに食事をとらざるを得ない状況にあるはずです。実際私の指導経験からも、夕方以降利用される方のほとんどがこのパターンにあります。
  • フィットネス クラブは病院ではありませんので、生活方針を会員の方々に強制することはできません。ですが、なるべく規則正しい生活に近づけていただけるよう、現実の指導の場では私は以下のようなアドバイスをすることにしています。ただし、生活パターンによってアドバイスは全く変わってくることもあります。
    1. なるべく朝、昼に食事を振り分けるようにして、夜の食事の負担を減らすとよいでしょう。
    2. エクササイズ前に軽い夕食を済ませましょう。ただし、エクササイズまでの時間を1.5時間以上開けるのが好ましいでしょう。カロリーメイトのような食品ならあまり時間を置かなくても大丈夫であることが多いようですね。
    3. エクササイズ前後に食事を振り分けるという方法も、エクササイズ後の食事量を減らす結果につながりますので、良い方法と思われます。時間の確保は大変かもしれませんが…。
    4. 夜の食事後、少しだけ時間を空けましょう(しかし、睡眠不足を招かないことが前提。医師・学者によっては12時以前の就寝を勧める人もいます)。
    5. アルコールについては、医師や学者の間でも意見はまちまちです。「肥満の原因になるから駄目」という人もいれば、「就寝前に飲むことで入眠を助ける。結果的にカラダを休めることにつながる」という人もいます。
  • 託児室担当の中原愛子はボディビルダーですが、大会の前など、少しでも体脂肪をカットするため、夜遅くの食事には特に注意を払っていました。しかし、あまりに空腹の場合「野菜やフルーツ」を利用したり、エクササイズ前に軽い食事を取って夜の食事を抑える工夫などをしていました。ストレスがたまっているときにはビールも飲んでいましたが、減量は順調に進んでいました。
  • 今回は答えになっていない答えで申し訳ありませんが、「(現代のライフスタイルの中での)食事に適した時間帯」「(現代のライフスタイルの中での)運動に適した時間帯」については、運動科学の場で正確な指針が示されていません。常に健康情報に気をつけてご自分で気をつけていただくしかないと思います。
  • このように夕食の時間が遅くなることによる弊害はないとはいえませんが、それよりフィットネス クラブに通うことにより得られる利益が大きいと考えることもできるのではないでしょうか?

     

中原 雄一

TOP