ICO Library (図書室)
中原雄一( 21/10/20 Wed 22:43 更新)

II. 糖質 / gucide

目次

  1. 特徴
  2. 役割
  3. 分類
  4. 所要量
  5. 消化・吸収
  6. 欠乏症
  7. 食品
  8. 過剰症・毒性
  9. 相性・相関関係など
  10. その他
  11. 各糖質の解説
    1. 単糖類
    2. 二糖類
    3. 三糖類
    4. 四糖類
    5. 多糖類

解説

  1. 特徴
    • 炭素・水素・酸素からなる化合物。別名炭水化物(carbohydrate)、含水炭素。
    • また、炭水化物を「糖質」と「繊維質」に分ける人もいる
    • 効率のよい、即効性のエネルギー源
    • 体内では1gあたり約4kcalのエネルギーを発生
    • 血液中の糖質(血糖:グルコース)は脳神経の唯一のエネルギー源
    • 無酸素状態でもエネルギー発生が可能(無気的解糖)

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  2. 役割
    • 生命活動に際するエネルギー生産の源
    • 無酸素運動における速効のエネルギー源
    • 脳・神経のエネルギー源
    • 運動時のエネルギー源

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  3. 分類
    • 単糖類 … 分子内に「1個」の「アルデヒド基」、もしくは「ケトン基」を持つもの。さらにその中に含まれる炭素の数により、二炭糖-九炭糖まで分けられる。
    • 二糖類 … 単糖類の分子が2個結合したもの
    • 三糖類 … 単糖類の分子が3個結合したもの
    • 多糖類 … 単糖類の分子が7個以上結合したもの

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  4. 所要量
    • 特に決められていないが、最低限50g/日以上は必要とされる
    • 運動を行う人はその所要量が高まる
    • 国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が発表した合同報告書(1998)では、「十分な炭水化物の摂取が、人々の肥満防止に役立つだけでなく、食生活に関連するさまざまな疾病予防にもつながる」としている
    • また、同報告書では、「多種類の炭水化物から得られるエネルギーを少なくとも55%含む食事とると、体内における脂肪量の蓄積を防げる」ともいっている

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  5. 消化・吸収
    • 体内で消化され、単糖類、主としてグルコースに分解され、小腸から吸収される。その後、筋、肝臓でグリコーゲンに合成され、貯蔵される。

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  6. 欠乏症
    • 脳・神経の正常な活動が妨げられる
    • スタミナの低下、その他運動機能の低下
    • 疲労・無気力感

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  7. 食品
    • 米などの穀物、芋類、麺類など

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  8. 過剰症・毒性
    • 特に蔗糖(砂糖)などの場合、低血糖、肥満
    • 必要以上にとりすぎた場合の肥満

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  9. 相性・相関関係など
    • 炭水化物を多くとる人、運動する人は、ビタミンB1の所要量も増加

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  10. その他
    • 血糖値を安定的に保つため、1日数回に分けて摂取することが望ましい
    • 各食品が消化・吸収された後、血糖となるまでの速度を指数化したものをグリセミック指数と呼ぶ。肥満をさけ、血糖値を安定させるためには、この指数が低い食品をとるのが望ましい。

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  11. 各糖質の解説
    1. 単糖類
      1. 特徴
        • 分子内に1個の「ケトン基」あるいは「アルデヒド基」を持つ。
      2. 種類
        1. 二炭糖
        2. 三炭糖
          1. グリセルアルデヒド
          2. ビシドロキシアセトン
        3. 四炭糖
        4. 五炭糖
          1. D-リボース
            • 核酸(RNA)の一成分
            • 補酵素の成分
          2. D-デオキシリボース
            • 核酸(DNA)の成分
          3. D-キシロース
          4. D-アラビノース
        5. 六炭糖
          1. D-グルコース(glucose)
            • ブドウ果汁に多く含まれるところから「ブドウ糖」と呼ばれる
            • ヒトの血液中にも常に0.1%程度含まれ(血糖)、貯蔵型のグリコーゲンと平衡を保つ
            • 麦芽糖、蔗糖(砂糖)、乳糖、デンプン、グリコーゲン、セルロース、配糖体などの構成成分
            • 甘みは蔗糖(砂糖)の70%程度
            • 酵母、乳酸菌、酪酸菌などの作用を受け発行し、それぞれアルコール、乳酸、酪酸を生ずる
          2. D-フラクトース(fructose)
            • 遊離した状態で植物に広く分布
            • 果物、蜂蜜に多く、「果糖」とも呼ばれる
            • グルコースとともに、蔗糖の構成成分となる
          3. D-ガラクトース(galactose)
            • グルコースと結合して乳糖(ラクトース)を作る
            • 藻類、植物ゴムに多く含まれる
        6. 六炭糖の誘導体
          1. 糖アルコール
            • 単糖類を還元すると、アルデヒド基およびケトン基はアルコール基となり、炭素原子と同数の多価アルコールとなる
              1. D-ソルビトール
                • D-グルコースの還元体
              2. D-マンニトール
              3. イノシトール
                • ビタミンの一種
              4. マルチトール
                • マルトースの還元体
                • 人工甘味料として使われる
              5. フィチン
          2. ウロン酸
            • 天然では以下の3種が知られる
              1. D-グルクロン酸
              2. ガラクチュロン酸
              3. マンヌロン酸
          3. アミノ糖
            • 糖分子のOH基がNH2基で置換されたもの
              1. グルコサミン
              2. コンドロサミン
              3. 配糖体
                • 植物界に広く分布
                • アントシアン、フラボノイド、サポニン、アミグダリン、タンニンなど
        7. 七炭糖
        8. 八炭糖
        9. 九炭糖

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    2. 二糖類
      1. 特徴
        • 単糖類(主に六炭糖)2分子から水1分子がとれて縮合したもの
      2. 種類
        1. 蔗糖(sucrose)
          • 一般的には砂糖と呼ばれ、飼育物界に広く分布する
          • グルコース1分子とフラクトース1分子が脱水縮合してできる
        2. 麦芽糖(maltose)
          • マルトースとも呼ばれる
          • 2分子のグルコースが結合したもの
        3. 乳糖(lactose)
          • 哺乳動物の乳に存在
          • グルコースとガラクトースが結合したもの
          • 消化管内でラクターゼ(酵素)によって加水分解される
        4. トレハロース
          • 2分子のグルコースが縮合したもの

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    3. 三糖類
      1. 特徴
        • 食品中わずかしか含まれず、栄養学的には重要視されていない
      2. 種類
        • ラフィノース

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    4. 四糖類
      1. 特徴
        • 食品中わずかしか含まれず、栄養学的には重要視されていない
      2. 種類
        1. スタキオース
        2. スコロドース

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    5. 多糖類
      1. 特徴
        • 単糖類が多数結合してできた高分子化合物
        • 種類が多い
        • でんぷん、デキストリン、グリコーゲン以外はエネルギー源としての価値が薄い
      2. 種類
        1. でんぷん(starch)
          • 特に穀類、芋類の主成分
          • 多数のグルコース分子が結合したもの
          • 結合が直鎖状のものをアミロース、枝分かれしたものをアミロペクチンと呼び区別
        2. デキストリン(dextrin)
          • でんぷんの加水分解の中間物質
          • サプルメントで麦(マルト)デキストリンを使用しているのをよく見かける
        3. グリコーゲン(glycogen)
          • 動物の糖質貯蔵型
          • D-グルコースのみからなる
          • (運動生理学やトレーニング科学でも出てくる重要用語)
        4. セルロース(cellulose)
          • 高等植物の細胞膜の主成分
          • でんぷん同様、D-グルコースの結合体
          • ヒトにはセルロースを分解する酵素を持たない
          • 適当に摂取することで、整腸作用、腸内ビタミン合成促進作用を期待できるとされる
        5. ヘミセルロース
          • 植物細胞壁から抽出されるセルロース以外の種々の多糖類の総称
        6. ペクチン(pectic substances)
          • 主に果実に含まれ、細胞間の結合物質となっている
          • ガラクチュロン酸の脱水縮合物を主成分とする
          • 便秘を防ぐとされる
        7. フラクタン(fructan)
          • フラクトースの重合体
        8. コンニャクマンナン(konnyakumannnann)
          • こんにゃくの主成分
          • 加水分解により、グルコースとマンノースが生じる複合多糖類
          • 人間がどの程度エネルギー源として利用できるかわかっていない
        9. 寒天(agar)
          • テングサなどに含まれる多糖類
          • 主にD-ガラクトースが結合している
          • エネルギー源としての価値はないが、便秘を防ぐ作用がある
        10. アルギン酸
          • コンブ、ワカメ、ヒジキなどに特有な多糖類
        11. キチン(chitin)
          • 節足動物に含まれる
          • 昆虫ではタンパク質と結合、甲殻類では炭酸カルシウムと結合
        12. ヒアルロン酸(hyaluronic acid)
        13. コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate)
        14. ヘパリン
        15. 糖タンパク質
          • 多糖類とタンパク質が結合したもの
          • オボムコイド、血清ムコイド、ホルモン、尿ムコイドなど

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参考図書
『健康運動指導士養成講習会テキストI-5-3. 運動と栄養所要量』小林修平
『栄養学(三訂版)』大磯敏雄/大修館書店
『要説 栄養生化学』吉田美穂子/三共出版株式会社
『ビタミン・バイブル』アール ミンデル著・丸元淑生訳/小学館
『スポーツ選手の栄養強化メニュー』菊田敬子/大泉書店
『機能性食品の驚異』石倉俊治/講談社
『ウイダー・スポーツ・ニュートリション・バイブル』ウイダー社・ウイダー・リサーチ・インスティテュート/森永製菓株式会社健康事業部

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