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栄養士:石川眞弓( 21/10/20 Wed 22:43 更新)

ビタミンB群をもっと知りたい人のために

  1. ビタミンB1(チアミン)
    • 糖質の代謝に密接に関係し、重要なカルボキシラーゼの働きを助けます。
      1. グルコースが解糖系で分解を受けて生じるピルビン酸をアセチルCoAに変える段階を触媒する脱水素複合体の構成員でこの段階は体内での物質の流れを左右する大切な分岐点です
      2. α-ケトグルタール酸ウォーキングサクシニルCoAに変える脱水素複合体があり、その中のカルボキシラーゼ成分を助ける酵素の成分ともなっています。
  2. ビタミンB2(リボフラビン)
    • 細胞内の酸化還元反応の触媒をする酵素の働きを助けます。この種の酵素は相手から水素原子を奪って相手を酸化すると共に補酵素に水素原子を与えて還元型補酵素に変えるのです。
    • VB2が代謝の上で重要なのは
      1. ピルビン酸の脱水素酵素の補酵素として
      2. TCAサイクル内のα-ケトグルタール酸脱水素酵素の補酵素として
      3. TCAサイクル内でコハク酸をフマル酸に換える
      4. 脂肪酸がβ酸化を受けアセチルCoAに分解される途中で働くアシルCoA脱水素酵素の補酵素として
      5. グリセリン3-リン酸脱水素の補酵素として機能している
    • からでi.からv.の電子は結局電子伝達系に渡され、この系を流れる際の生体内の通貨ともいえるATPが生産されます。すなわち3大栄養素のもつ化学エネルギーを解放して、その一部がATPの形に変換され円滑に働くのを助けるのです。
  3. ビタミンB6(ピリドキシン)
    • 酵素の作用でアミノ酸と結合し、アミノ酸の種々の反応を触媒します。
      1. アミノ基転移反応
      2. 脱炭酸反応
      3. 脱水反応(セリン)
      4. イオウの脱離(システィン)
      5. 芳香族アミノ酸の変換
    • アミノ酸の代謝に広く関わっているのです。この多彩な反応を発揮するのはアミノ酸と結合する事によって種々の官能基が脱離しやすくなるためです。
  4. ビタミンB12(シアノコバラミン)
    • メチル基の活性化と転移反応の補酵素であり、これはアミノ酸代謝というより核酸塩基の生合成に関与が大きくなっています。

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