飲酒と発ガン
- 99年9月、厚生省研究班が「飲酒量」と「発がん」についての調査結果を明らかにしました。
- この結果は、現在まで経験的にいわれてきた「適度な飲酒は健康にもよい」という考えを一部裏付けるものになっています。
- 以下、簡単にまとめてみました。
グループ |
平均アルコール摂取量/週 |
調査人数(人) |
がんによる死亡者数(人) |
がんによる死亡率(%) |
全く飲まない |
|
3978
|
44 |
1.1 |
2日で1合 |
平均79g/週 |
3431 |
22 |
0.6 |
1日4合 |
平均646g/週 |
2986 |
51 |
1.7 |
※岩手、秋田、長野、沖縄の各県に住む49-59歳の男性19,231人を対象に1990-96年までの7年間追跡調査したもの。
※実際には、全く飲まないグループから、毎日4合飲む人までの計6グループに分類されています。
- 上記のように、2日で1合というグループが最もがんによる死亡率が低いことを示しています。逆に一番死亡率が高いのが、1日4合というグループです。「酒は百薬の長」という言葉は、2日に1合グループでは当てはまることになりますが、1日4合グループには当てはまらないことになりますね。
- 適度な飲酒はストレスを軽減させ、それががんによる死亡率を低く抑える原因になったのではないかと分析されていますが、飲めない人が無理に飲酒をする必要はなさそうです。無理に飲酒することそのものがストレスになりかねません(実は、私自身があまりお酒が好きではないので、努めて飲もうとは思いません)。
- また、過度な飲酒は、免疫機能を低下させるので、発がん率を高めるとも分析されています。
- 今回の調査は、厳密なアルコール量と発ガン性の関係を明らかにした日本では初めての調査だそうです。今後、女性を対象にした調査への展開も期待したいところです。
- 現在までにも、適度な飲酒が心臓血管系の疾患の予防に役立つという調査結果などが報告されていますが、なにごとも「極端」を避けて「適度」を保つことが健康を保つ秘訣なのでしょうか?