どうしても、Macintoshの日本語入力環境が許せず、なんとかしたくてWindows用の親指シフトキーボードをiBookにつないでみました。
さて、その結果は…。
OS X, Mac OS9でFKB8579-661を使う |
まず思いついたのが、USBインターフェースで手軽にさせるこのコンパクト親指シフトキーボードです。しかし、このキーボードはハードウエア的にはJISキーボードと同じ配列であり、IMEのエミュレーション機能で親指シフトを実現しているものですから、最初から親指シフト入力をできるとは思っていませんでした。 また、MacではWindowsの変換キー、無変換キーが無視されるので、MacOS9用のNickeyや、OS X用のTESLAを利用しても、親指シフト化することはできません。 2003年7月18日追記。 現在、有志の手により、OS Xでこのキーボードを使用するためのドライバが配布されています。 |
OS X, Mac OS9でKB - FMV-KB611を使う。 KVM Switch FS102ATLを使って接続する。 |
これはPS/2インターフェースを持っているので、そのままではMacに接続できません。 しかし、何か方法がないか、と検討しているうち、新宿のあるショップで、CPU切り換え器を発見しました。富士通コンポーネント株式会社製のこの製品には、Mac用キーボードエミュレーション機能がついていて、USBでの接続が可能とあります。2万円台半ばということで高価なのですが、一も二もなく購入してしまいました。 FMV-KB611はハードウエアから親指シフト入力に対応した文字コードを出しているので、一部の文字を除き、正常に入力できました。しかし、やはり変換キーは無視されますし、無変換キーで英語に切り替わってしまうので、使いにくいことこのうえありません。 |
OS X, Mac OS9にてRboard Pro For PC を使う。 接続にKVM Switch FS102ATLを使用する。 |
富士通社製のFMV-KB611では、キー機能をハードウエア側でカスタマイズすることができないので、Rboard Pro for PCを利用すればなんとかなるのではないかと思い、早速試しました。 「CapsLockキー」に「無変換キー」を、「無変換キー」に「ひらがなキー」を、「変換キー」に「スペースキー」を、そして「ひらがなキー」に「R5キー(かなロック制御用)」を割り当てた上で、KVM Switch FS-102ATLを介してMacにつないだのです。あとは、FS-102ATLのキーボードエミュレーション機能まかせ…。 まず、MacOS9では、かなロック制御を除き、問題なく入力できました。ただ、日本語と英語を切り換える際、わざわざ「ひらがなキー」を押さないと正しく入力できないので、大変です。これはあまり実用的とはいえないですね。 OS Xについては、最上段が「ぬ、ふ、あ、う、え」になったり、「い」と入力したはずなのに「ぃ」が出てきたり、「う」と入力したはずが「ぅ」となったり…。特に、最上段を押したあとにおかしくなります。いったんUSB端子からFS102ATLの接続を切り離すと再び入力できるようになりますが…。これも実用外でしょう。 |
OS XにてRboard Pro for PCを使う。 接続にKVM Switch FS-102ATLを使用する。 |
それでは、と試してみたのが、OS X用に提供されているTESLAというNICOLA(親指シフト規格)のエミュレータをつかい、Rboardの必要な機能だけをカスタマイズして、OS Xで使う方法です。これなら、かなロック制御が関係なくなるからです。 そこで、基本的に全部のキー位置をJIS配列に変更し、その後、BackSpace, Escの位置をOASYS風に設定します。句点を出すために、:の位置を変則的にEnterの下に配置した以外は、OASYS風になっていると思います。 あとは、右親指キーにスペースを、変換キーにスペースを、親指左に無変換を、無変換にひらがなを、CapsLockに無変換を、EJ(JISキーボードのタブの位置)にCapsLockを(まず使わないですから)、という形に設定しました。コマンドキーの位置にこだわる方はタブキーなどにWindowsキーを割り当てると、コマンドキーとして使えます。私はタブ優先ですので、そのままにしましたが。 結果として、多少Windowsで使っているのとキーの位置が変わってしまったり、左親指キーの押し間違えで英数に切り替わってしまったりするものの、あまりWindowsと変わらない感じで日本語を入力できるようになりました! これはすばらしい。 |
あと、MacOS 9の環境については、Rboard Pro for Macを購入するか、Rboard Pro for PCをMacように改造してもらうか、という手があります。今はこれが一番現実的なものなのかもしれません。
いま、Macを使うことにより、「Windowsでなんとか親指シフトを使おう」と苦労した日々を思い出しています。これについては、今後もマニアックに研究を積み重ねたいと考えています。