効果部位:主に背中を広く覆い、広がりをつくる筋肉(広背筋/Latissimus dorsi, 大円筋/Teres Major)
この種目は、バーベルを広く握ることにより、肩胛骨側(上部)の筋肉、つまり三角筋の後部や僧帽筋や菱形筋などを刺激できると言われています。背中の上部に立体感を出したい場合、厚みを付けたいような場合に有効といえるでしょう。
下背部に負担が大きい種目です。腰痛のあるかたは行わないほうがいいでしょう。主治医やトレーナーに相談してみましょう。
両足を肩幅よりもややせまい程度に広げて立ちます。両手を肩幅の倍程度に開き、バーベルをオーバーグリップで持ちます。
その状態から、写真のように両足を軽く曲げ、次に背筋を伸ばしたまま上半身を前に倒し、バランスをとります。この姿勢は腰の下部にかなりの負担をかけますので、注意が必要です。ゆっくりと正確に行ってください。
この写真ではかなり正確なフォームをとっていますが、通常はもう少し上半身が起きていてもかまいません。
最初は肩のちからを抜き、肩胛骨を広げて、背中の筋肉を軽くストレッチングします。人によっては脊柱(背骨) を丸めるようにして背中の筋肉の動きを大きくしますが、腰への負担やターゲットとなる筋肉への緊張を維持する目的で、背中を丸めないようにしています。
まず、下に引き伸ばされていた肩を背中側に引きつける動作からはじめます。
次に、息を吸いながら、両肘を真上に持ち上げていきましょう。バーベルを胸で迎えるような感じです。このとき、なるべく腕のちからを抜き、肘でバーベルをコントロールするのがポイント。
スタンダードグリップやナローグリップ(アンダーグリップ)のやり方と異なるのは、これらがわきを締めるように行うのに対して、このワイドグリップでは肘を外側に張った姿勢を保ちつつ、動作を行う、ということです。
このとき、少しだけ止めてあげると効果が高くなります(血圧の高い方は注意なさってください)。
十分に肘を張っておきましょう。
息を吐きながら、少しずつ肘の高さを落としていきます。
肘は「伸ばす」というよりバーベルの重みで「伸ばされる」感じです。
肩は十分に絞られていますか?
一番はじめの姿勢に戻ります。
以上の動作を決めた回数だけ繰り返してください。
次の動作に移る場合、間髪をおかずに行うとより効果が上がるでしょう。
写真のように肩の力を抜いて1回1回ストレッチングを行ってもよいのですが、よりハードに行いたい場合は、肩を絞ったまま次の動作に移ります。
この姿勢は下背部への負担が大きくなります。腰痛があるかたは、この種目を行わないでください。
この姿勢をとるときには正確に、ゆっくりと。十分に注意して行ってください。